におい分析検査
消費者が食品を口にする際、「嗅覚」は実際の味と同じように非常に重要な役割を果たします。 実際、嗅覚は、腐敗臭など「危険」を示す臭いに特に敏感であり、人体に「危険」な要因を排除するシグナルを出します。 一方、「良い香り」は食欲を増進し、より食事を趣深いものとします。
日本認証サービスは、「香り・臭い」の分析検査に関して「におい成分」そのものを酸化物半導体センサーで識別するにおい分析装置(島津製作所製FF-2A)を用いて、新たに「香りと臭い」の科学的解析を提供します。 香り・においの強さを測る値には、環境省が定めた臭気指数(サンプルの臭いを無臭になるまで希釈した時、その希釈倍率を臭気濃度とし、この臭気濃度より算出した臭気指数でにおいの強さを示す。例えば臭気指数30は、1000倍に希釈してようやく無臭となる臭いの強さを示す)を用い、総合的な臭気の強さ及び9種類の系統のにおいについて、それぞれの臭気指数を計測する事で、サンプルのにおいの質を表します。 また特定の「良い香り」を定めて、この香りとどの程度香りの強さや質が異なるか計測する事も可能です。
「香り・臭い」を数値で管理する事により、今まで「感覚」のみで対応してきたさまざまな要素を科学的に管理する事が可能となります。 古米臭などの臭みの有無の検査を行い、ごはんのおいしさについて、においの分析の観点からも評価に使用されています。 また食品保存機器で、食品劣化の時系列毎のにおい変化を調べる事も可能です。
またこの分析検査は、消費者からの苦情や製品管理で大きな威力を発揮します。消費者から「腐ったにおいがする」、「すっぱいにおいがする」、「薬品臭がする」というような苦情があった場合、正常品とクレーム品のにおい比較分析により、クレーム品の客観的評価を可能とする他、米の乾燥時の石油系燃焼ガス臭の付着(米が石油系排気ガスのにおいを吸っている)、保存不良による異臭の吸収などを分析により推定します。冷蔵庫でごはんを冷蔵・冷凍保存していた時に、「魚」や「肉」のにおいを吸ってしまったのに、これを商品クレームとされた場合、実際にどのようなにおいであるか分析できれば、適切な対応も可能となります。
さらに、においの分析は鮮度検査でも利用されます。魚の鮮度はATPの分解の度合いを分析し、K値といわれる指標で評価が可能ですが、イカ等は代謝経路が異なるためK値による評価はできません。しかし魚類が本来無臭ながら、水揚げ後(死後)酸化により独特の魚臭(アミン臭)を発生する事から、におい分析でこのアミン臭の発生状態を比較し、鮮度を評価することが可能です。
におい分析については、検体の内容に応じて、個別に対応しております。 また特急検査等の迅速検査も対応していますので、分析事業部までお問い合わせください。
におい分析(臭気比較分析)
日本認証サービスでは、におい識別装置を使用して、臭気指数相当値、においの質(類似度)、臭気寄与度を分析します。
(においの種類等は、後述のにおいの質と寄与度をご参照ください)
このにおいセンサーは、酸化物半導体センサーににおいを封入した袋を接続し、臭気をセンサーに反応させ、その反応度合いを計測するものです。 また基準となるガス(以下参照)との対比で類似度、臭気寄与度を分析します。 においセンサーによるにおい分析の詳細については、分析事業部までご照会ください。
検査所要日数:5営業日
- 検査項目
- 異臭比較検査(クレーム検査・正常品)
- 複数検体のにおい比較分析
においセンサーについて(においの質と寄与度)
においの質(類似度)については、以下の9種類の基準ガス(基準臭)を用いて各におい系統について測定し、検体のにおいの質を解析します。
(注意:におい分析装置のセンサーは特定の化学物質のみを検出・特定するものではなく、例示された化学物質等に反応して検出するというものです。 従って、各におい成分の化学物質を同定し、その含有量を定量するものではありません)
- アンモニア
- 畜肉・魚肉等の劣化によりタンパク質・アミノ酸が分解され生じる
- アミン系
- 魚臭さ(ジメチルアミン)、海水魚の生臭さ(トリメチルアミン: 海水魚中に大量に存在するTMAOという物質が死後、微生物により分解され生成)、淡水魚の生臭さ(ビペリジン)等
- アルデヒド系
- 酸敗臭、豆臭さ等
- 芳香族系
- シナモン、コーヒーの香り、ベンゼン・トルエン・キシレン等の石油製品の臭い
- エステル系
- 松茸の香り、バナナの香り等
- 炭化水素系
- ハッカ、レモン、バラ、グレープフルーツ、松の香り等、石油製品の燃焼ガス等
- 有機酸系
- 刺激臭、酸敗臭(蟻酸、酢酸)、バター等の発酵食品の香り(ジアセチル)、チーズ等の発酵食品の香り(プロピオン酸)、発酵食品の香り(酪酸)
- 硫黄系
- タマネギの腐敗臭(メチルメルカプタン)、青のり・磯の香り(ジメチルスルフィド)、ニンニクの臭気(アリシン)、椎茸の香り(レンチオニン)等
- 硫化水素
- 温泉、腐卵臭等
10種類の酸化物半導体センサーが、9種類のにおい系統について、それぞれの臭いの強さを臭気指数相当値で計測することにより、検体のにおいの傾向が判明します。
特に、「異臭」となる臭みに対して人は敏感であり、もし腐敗や酸化臭、石油等による汚染、異臭があれば、通常製品とは異なるにおい構成となるため、本検査においても複数の系統について同時計測で「異臭」の分析を可能としています。
