食品の産地判別
食品の産地判別 : あなたが食べている国産は本当?
世界中から様々な食品が入手可能になった一方で、
輸入食品の中には規定値以上の農薬が検出されたり、使用禁止の化合物が検出されたり、輸入食品の事故が多発しています。
このような事故をきっかけに、国産志向がどんどん高まっています。しかし、残念なことに、安価な輸入食品を国産として販売する業者が後を絶ちません。
本当に国産? : 安定同位体比による産地判別
植物や動物が生きていくには水分の摂取が不可欠です。私たちの体に含まれる酸素や水素の大半は、摂取した水が起源です。水の安定同位体比は、 地域によって値が異なることが報告されています。つまり、植物や動物の酸素や水素の安定同位体比を測定することによって、 地域の差を追跡することが可能なことから、食品の産地判別への応用研究が行われています。
また、動物の場合は、炭素・窒素同位体比は食べ物の影響を受けます。例えば牛の場合、牛の炭素や窒素の安定同位体比は、与えられた餌を反映します。 各国によって、牧草や穀物など与える餌の内容は異なります。特にアメリカ産牛肉は、トウモロコシ飼料を多く与えていることから、炭素同位体比が高い特徴が得られています。 牛の酸素や水素の安定同位体比は、飲み水の影響を反映します。各国によって、水の値が異なり、特にオーストラリア産牛肉は水の酸素同位体比が高いことを反映しています。


うなぎの産地判別 : 蒲焼や白焼等の加工品でも分析可能!
これまで、食品の産地判別分析は、
様々な方法で研究がなされてきていますが、分析対象はコメや牛肉といった原料レベルでの研究が多く、加工品への応用例は非常に少ないのが現状です。
しかし、実際に産地偽装が多く行われるのは加工品であり、加工品への応用が求められています。
加工品は、原料そのものとは異なり、焼いたり、煮たりといった加工過程や調味料が分析値に大きな影響を及ぼします。 タレなどの調味料が付着した状態では、そのまま測定してしまうと正しい分析ができないため、調味料を取り除くための前処理が必要となります。
食品の産地判別技術として、微量元素組成が大きく注目を集めています。植物では土壌から、動物では餌から摂取した微量元素の組成は、 地域によって異なることを応用した技術です。しかし、微量元素は骨格を形成する元素ではないため、煮たり、洗浄したりすることによって、 組成が変化してしまうという弱点があります。
一方、炭素・窒素・酸素・水素といった生元素(せいげんそ)は、骨格を形成する元素であり、洗浄や調理過程における変動は小さく、
これらの安定同位体比にも影響がほとんどありません。つまり、加工過程の影響も少なく、調味料を除去するための前処理による影響も少ないと言えます。
実際に、ウナギについて、蒲焼や白焼の安定同位体比分析を行った結果、加工品においても適切な前処理を行うことで、活鰻と同様の値を示すことがわかりました。
検査一覧
- 牛肉の国産・輸入判別
- 国産・米国産・豪州産の産地判別
- コメの国産・輸入判別
- 国産・米国産・豪州産の産地判別
- うなぎの国産・輸入判別
- 活鰻、蒲焼、白焼うなぎの国産・輸入(台湾産・中国産)の産地判別
