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JCSニュースレター 第002号

遺伝子組換え「亜麻仁」について

亜麻 Linum usitatissimum L. は日本では4月下旬から5月上旬に播種、6月下旬から7月上旬に開花、8月中下旬に成熟するアマ科の1年草です。

古くから茎の繊維がリネン製品の原料として利用され、現在では通気性・吸湿性に優れ肌触りが良いことから高級な衣類の原料となっています。亜麻仁油(フラックスオイル)とはこのような亜麻という植物の「仁」=種子を圧搾、又は潰して抽出した乾性油のことです。

この油の最大の特徴は、オメガ?3系脂肪酸と呼ばれるα?リノレン酸をはじめとする不飽和脂肪酸が多く含まれていることです。加工食品・外食・コンビニ食等にはオメガ6系脂肪酸であるリノール酸が多く含まれており、近年リノール酸は摂り過ぎると癌やアレルギーを引き起こす等の問題が指摘されています。オメガ6系脂肪酸であるリノール酸過多の害を避けるには、リノール酸の摂取をできるだけ控え、不足しがちなオメガ3系油(αリノレン酸、DHA、EPA)を積極的に摂る必要があり、この亜麻仁油がオメガ?3系必須脂肪酸のもっとも有力な補給源として広く愛用されています。

さて、その亜麻仁油の原料にもなる亜麻仁の総生産量は約220万トン、主な輸出国であるカナダでは1996年から品種の栽培や食品及び飼料としての使用が認められ、亜麻の実入りのパンなどが販売されています。スルホニルウレア系の除草剤に耐性を有した遺伝子組み換え亜麻仁はカナダで開発されました。

しかし、遺伝子組み換え作物の規制が厳しいEUやドイツで遺伝子組換え亜麻/亜麻仁は認められていません。BVL(ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁)の報告によると、パン屋向け卸売り店の亜麻仁から遺伝子組換え成分が見つかったことを背景に、BfR(ドイツ連邦政府研究所)は2009年8月20日41検体の亜麻仁を検査しました。その中の16検体から0.05-1%の遺伝子組換え亜麻仁を検出し、有機栽培亜麻からは検出されなかったことが発表されました。

遺伝子組み換え作物を認定できない有機認証制度はこのようなところでも遺伝子組み換え作物との差別化を図ることに貢献していました。

食品ではなかったものが新たな機能性を見出され食品となることは珍しいことではありません。昔は繊維として利用していた亜麻仁もその例です。新たな食品として認識されるものに対しては、まず様々な取り組みで安全性を確認し、その後消費者へ提供していきたいものと考えます。