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JCSニュースレター 第007号

有機JAS制度の現状と課題

◇平成22年2月9日有機JAS規格に関する意見交換会での内容を基にしています。

※有機JAS制度を巡る現状

平成19年、世界の有機食品市場規模の第1位がアメリカで約2兆1千万円(1ユーロ=160円)、 2位がドイツで約84百億円、3位はイギリスで約41百億円となっています。一方で日本は約148億円となっています。 有機ほ場面積においては、オーストラリアが第1位で約12百万ヘクタール(北海道の面積の1.4倍)、2位はアルゼンチンで約28十万ヘクタール、 3位はブラジルで約18十万ヘクタールとなっており、日本は平成20年度の集計で約85百ヘクタールでした。国内の有機市場は諸外国に比べ非常に小さいと言えます。

また、JAS格付け実績の推移は外国産有機農産物量(外国でJAS格付された有機農産物)が国産有機農産物量(国内でJAS格付された有機農産物)の約40倍です。 外国産有機農産物は、主に外国の有機農産物加工食品の原材料として使用されます。一方、有機加工食品においては外国産、国産は同じぐらいの量となっています。 国内で格付される有機農産物は野菜、米が全体の80%以上を占め、有機加工食品は豆腐、豆乳が60%以上を占めています。

有機JAS認定を取得される事業者数は外国も国内も近年はそれほど変化していない状況です。

※ 有機JAS制度における課題

課題1:世界の先進国に比べ、日本の有機生産が伸びない理由は?

  ・国内消費者の有機JASマーク認知度はまだ低い。
     消費者2,000名の平成20年度のアンケートで56.1%が「知らない」

  ・有機農産物を購入している消費者は「値段が高い」、「品揃えが少ない」と考えている。
     消費者765名の平成20年度のアンケートで75%以上が「高い」

  ・有機農産物を購入しない消費者も、「価格が高い」、「どこで買えるかわからない」と考えて
    いる。

     消費者238名の平成20年度のアンケートで25%以上が「どこで買えるか知らない」

  ・流通加工業者は、有機農産物を「安全な農産物」、「消費者が求めるもの」と考えている。
     流通加工業者1,023名の平成19年度のアンケートで70%以上が「安全」

  ・農業者は、有機農業を「環境にやさしい農業」、「安全な農産物を生産する農業」とイメージ
    しているが、「リスクが高い農業」とも考えている。

     農業者1,963名の平成19年度のアンケートで50%近くが「安全」、25%以上が「リスクが高い」

  ・50%の農業者が有機農業に取り組みたいと思っている。
     農業者1,963名の平成19年度のアンケートで50%近くが「取り組みたい」

  ・農業者は、有機農業に取り組むには「生産コストに見合う販路の確保」と「収量、品質を確
    保できる技術の確立」が必要と考えている。

     農業者1,963名の平成19年度のアンケートで70%近くが「上記の条件が必要」

課題2:平成17年度制定した有機畜産が生産されない理由は?

  ・有機畜産物JAS規格では、食肉に格付を行うために、「家畜生産農家」及び「と畜場」を一
   体的に管理する「生産行程管理者」が認定を取得しなければならない。

  ・有機畜産物にJAS格付を行うためには、有機飼料又は有機畜産用自家生産飼料が必要
   であるが、JAS格付された有機飼料の入手は困難。

課題3:有機JAS規格の名称の表示規制は充分か?

  ・有機農産物、有機農産物加工食品は表示の規制があるが、有機農畜産物加 工食品には
   表示の規制がなく、有機の生産方法によらなくても有機表示がで きてしまうこととなる。

課題4:同等性認定についての今後の展開は?

  ・同等性認定の審査方法
   文書審査に加え、現地確認も行うべきか否かについての検討を要する。

  ・同等性認定の判断方法
   同等性を認めている国の間においても、使用許可資材としての農薬等は異 なっており、この判断を
   どうするかが課題とされる。

  ・同等性認定のあり方
   日本は20カ国の有機認定制度との同等性を認定しているが、反対にこれらの国が日本を同等国とし
   て認定していない現状である。

農林水産省ホームページ
http://www.maff.go.jp/j/jas/kaigi/yuuki_iken_100209.html