JCSニュースレター 第008号
日本畜産学会産肉研究会のご報告
日本産肉研究会第6回学術集会
日時:平成22年3月30日
場所:明治大学駿河台キャンパスリバティタワー
テーマ:ウシの赤身肉の生産と適切な評価法の開発
1.生産技術の開発
① 牛肉としての骨格筋―骨格筋筋繊維型と食味― 渡邊康一(東北大学大学院農学研究科)
食肉は家畜・家禽の骨格筋であり、と殺直後は死後硬直を起こしており、熟成といわれる期間を経過させ食卓に届けられる。 また、その骨格筋を構成する筋繊維には組織化学的に3種類あり、大きくは赤色筋繊維(好気的代謝を行い疲れにくい筋肉)、 白色筋繊維(嫌気的代謝を行い疲れやすい筋肉)の2種類に区別される。また、調理加熱後の筋繊維の粗密度は嗜好性やうまみ成分の保持に非常に関連性があり、 良食味をもたらす適度な熱処理を選ぶことが食味嗜好性を決める重要なポイントであることを紹介していました。
② ウシ放牧の肉量と肉質への影響 木戸恭子(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所)
放牧と舎飼いによる黒毛和種の粗飼料のみの飼養形態で、ウシの筋肉状態がどういう結果をもたらしたかを紹介していました。
2.評価技術の開発
① 大地を守る会の赤身牛肉(短角牛)評価基準 吉田和生(株式会社大地を守る会)
大地を守る会では北東北地域で飼養される「日本短角牛」との産直取引を開始し30年が経過しました。 各生産者の肥育技術や取組みに対する姿勢の評価を行うことで生産者のモチベーションを高め、精肉歩留まりを評価基準とした経緯や実態を紹介していました。
② 牧草飼育牛の認証と評価方法の検討 安藤寿人(弊社)
国内で生産される赤身牛肉と国外で生産される赤身牛肉との差別化が消費者に明記できるような認証システムの提唱を行いました。 科学的検証と生産管理体系認証を行った認証では牛肉における付加価値を消費者に伝えていくようなシステムとなっています。 この認証システムは確立されたものではなく、弊社が提示したシステムであり今後の展開はまた紹介していきたいと思います。
③ 調理による赤身牛肉の評価 平山一政(スチーミング調理技術研究会)
国内での牛肉の調理方法の乏しさを懸念し、牛肉の肉としての特質を認識した上で、安定した温度を一定時間かけて調理を行う 「蒸す」という原始的な調理方法に注目をした。その「蒸す」調理方法で変化する牛肉の評価を行い、 健康的に美味しく食べるところから研究をはじめるべきではと提案していました。
産肉研究会の詳しい取組み内容のご紹介は弊社JCSニュースレター006号をご参照ください。
